抗体精製用 中空糸膜とは
抗体医薬製造における「精製工程」の課題を解決
次世代の治療薬として注目を集めている抗体医薬品。その製造プロセスにおいて、
コストの大半を占める精製工程の効率化は、大きな課題とされてきました 。
TerpSep™は、大塚化学の精密合成・重合技術を活用したポリマーを、
東洋紡の微細加工・製膜技術により中空糸膜化 。「荷電精製膜」と「ウイルス除去膜」
のラインナップで、精製工程の最適化に貢献します。

東洋紡の中空糸膜
東洋紡は、中空糸膜サプライヤーとして、1980年代から長年にわたる豊富な導入実績を積み重ねてきました。
精密な孔径制御により、ウイルスの捕捉と有用成分の透過を両立。内側から外側にかけて孔径の異なる傾斜構造を構築し、目詰まりを抑制します。

製品に関するお問い合わせ
お問い合わせフォーム荷電精製膜
(TerpSep™-A・TerpSep™-C)
荷電精製膜 —— カラムクロマト方式に代わる新たな精製プロセス
細胞培養液中に含まれる荷電性物質の吸着性能に優れた特殊ポリマーと、中空糸膜が元々有する分離能により、不純物を除去 。目的のタンパク質(抗体など)も効果的に精製します。
従来のカラムクロマト方式との比較
ビーズを利用した従来のカラムクロマト方式では、抗体の結合、洗浄、溶出といった煩雑な作業ステップが必要でした 。
TerpSep™の中空糸膜による精製では、フロースルーで精製が実施でき、作業工程数の削減に寄与します。大型の洗浄装置や廃液処理設備を設置する必要がなく、省スペース化にも役立ちます。
従来のカラムクロマト方式
中空糸膜による精製
※上記のイラストはTerpSep™-Aの場合です。TerpSep™-Cの場合、同様のプロセスでカチオン成分を除去します。
| 従来のカラムクロマト方式 | 中空糸膜による精製 | |
| 多段階 | 操作 | シンプル |
| 必要 | 溶解液 | 不要 |
| 長い | 工程時間 | 短い |
| なし | 連続精製の可能性 | あり |
他製品との比較
| 先行品 | 従来の中空糸膜 | TerpSep™ ブレンド中空糸膜 |
|
|---|---|---|---|
| イオン交換クロマト | |||
| 処理速度 | × | ○ | ○ |
| 除去性能 | ○ | × | ○ |
| 操作性 | △ | ○ | ○ |
製品ラインナップ
■ TerpSep™-A
膜全体にカチオンポリマーを導入することで、中空糸膜によるサイズ分離能は維持しながら、アニオン成分の吸着除去が可能です。
アニオン荷電した染料の吸着試験結果
カチオンポリマーが膜全体に均一に分散。膜全体で吸着が可能です。
HCP除去能 HCP:Host Cell Protein(宿主細胞由来タンパク質)
アルブミン吸着試験
アニオン荷電したタンパク質の吸着除去が可能です。
設計品質
| 項目 | TerpSep™-A |
|---|---|
| IgG回収率 [%] | 99 |
| IgG凝集体阻止率 [%] | 100 |
| アルブミン吸着量 [mg/mL] | 68 |
| DNA吸着量 [mg/mL] | 12 |
ろ過方式:定流量式デッドエンドろ過
試験液:アルブミン 0.25g/L(pH7.0 トリス塩酸緩衝液で溶解)
■ TerpSep™-C
膜全体にアニオンポリマーを導入することで、中空糸膜によるサイズ分離能は維持しながら、カチオン成分の吸着除去が可能です。
リゾチーム吸着試験

カチオン荷電したタンパク質の吸着除去が可能です。
設計品質
| 項目 | TerpSep™-C | |
|---|---|---|
| IgG回収率 [%] | 99 | |
| IgG凝集体阻止率 [%] | 99 | |
| Lyz吸着容量 [mg/ml-膜体積] | pH7 | 45 |
ろ過方式:定流量式デッドエンドろ過
試験液:リゾチーム 0.50g/L(pH7.0 リン酸緩衝液で溶解)
製品に関するお問い合わせ
お問い合わせフォームウイルス除去膜(TerpSep™-V)
東洋紡製ウイルス除去膜を大塚化学製の特殊ポリマーで表面処理することにより、ファージ除去性能は維持しながら、ハイスループットろ過処理が可能になりました。
各種データ
膜透過流量
ろ過方式:定圧式デッドエンド
圧力:200kPa
抗体濃度:0.5g/L
緩衝液:pH7.2 リン酸緩衝液
東洋紡の従来品との比較で、約2倍の液処理量を実現しました。
設計品質
| 項目 | TerpSep™ | |||
|---|---|---|---|---|
| スループット性能 | 120分ろ過時処理量(L/m²) | 195 | ||
| ファージ除去能LRV | pH依存 | pH7 | ≧4.7 | |
| pH5 | ≧4.7 | |||
| pH4 | ≧4.7 | |||
| 高ファージ濃度 | ≧4.7 | |||
| TP | IgG濃度 | 30g/L | ≧4.7 | |
| 10g/L | ≧4.7 | |||
| 5g/L | ≧4.7 | |||
| 高圧 | 300kPa | ≧4.7 | ||
| 400kPa | ≧4.7 | |||
ファージ除去性能
操作条件
ろ過方式:定圧式デッドエンド
圧力:200kPa
試験液:IVIG 0.5g/L(pH7.2 リン酸緩衝液で希釈)
添加ファージ:PP7バクテリオファージ 10⁷pfu/mL
pH影響
TerpSep™-V(●)は、各pH条件下においてもLRV値4.0以上を維持します。合成高分子平膜(■)に関してはpH7.0条件のみ測定し、データはTerpSep™-V(●)と重複しています。
タンパク質濃度影響
TerpSep™-V(●)は、各タンパク質濃度条件下においてもLRV値4.0以上を維持します。合成高分子平膜(■)に関してはタンパク質濃度30g/L条件のみ測定し、データはTerpSep™-V(●)と重複しています。
圧力影響
TerpSep™-V(●)は、各設定操作圧力条件下においてもLRV値4.0以上を維持します。合成高分子平膜(■)に関しては測定圧力0.40MPa条件のみ測定し、データはTerpSep™-V(●)と重複しています。
TerpSep™-V ウイルスクリアランス試験
MVMウイルスをスパイクした試験液をTerpSep™-Vを用いてデッドエンドろ過を実施しました。
試験条件
- 指定圧力:200±10kPa
- 各試験回数:N2
- 試験液:IVIG溶液(0.5g/L)
Virus:MVM(Size 18〜26nm)
Virus Spike Ratio:1%
緩衝液:20mMリン酸緩衝液、pH7.2
試験イメージ
試験結果
| LRV | |
|---|---|
| ろ過試験① | ≧5.0 |
| ろ過試験② | ≧5.0 |
TerpSep™-V デッドエンドろ過による金コロイドろ過試験
金コロイド水溶液とタンパク質水溶液の混合液に対して、TerpSep™-Vによるろ過試験を実施しました。
試験条件
- 定流量:0.5ml/min
- 試験液:
タンパク質:分子量 150〜160kDa(色:黄)
金コロイド:30nm(色:赤)
試験結果
TerpSep™-Vを用いることで、有用成分であるタンパク質の分離ができました。
主な仕様
| 項目 | 基本情報 |
|---|---|
| 膜素材 | 親水化ポリエーテルスルホン |
| 膜形態 | 中空糸膜 |
| 状態 | Dry |
| 公称孔径(nm) | 20*調整可 |
モジュール品



※ 記載されているデータは、標準的な条件下での測定結果であり、保証値ではありません。 実際の使用環境条件によっては異なる結果となる場合があります。